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「いつもと違う」なら急性中毒疑って 札医大すこやか講座

札幌医科大学と道新ぶんぶんクラブ共催の本年度第2回「すこやかライフ」講座「知っておきたい急性中毒の救急~何に注意し、どう対処する?~」が10月2日(火)、同大臨床教育研究棟講堂で開かれ、同大医学部救急医学講座の成松英智教授が、救急医療や急性中毒についてスライドを使いながらわかりやすく説明しました。

まずは救急医療の分類を説明。1次救急、2次救急、そして札幌医科大学の高度救命救急センターなどが受け入れる3次救急は生命危機の状態で、処置により救命の可能性があり、ICU(集中治療室)での治療が必要なレベルを指します。ICUでは機械で命をつないでいる患者さんもいます。9月の胆振東部地震による大規模停電では、自家発電装置はもちろん備わっていますが、やはり焦りを感じたそうです。道庁にDMAT(災害派遣医療チーム)本部、札医大などに活動拠点本部が置かれ、災害医療に対応したそうです。

急性中毒は食品や医薬品、有害物質が体内に吸収されて起こる生体反応。マムシなどのヘビにかまれたときにも起こります。急性中毒の症状としては、意識障害やショック状態から、嘔吐や下痢も含まれるため、「いつもと何かが違う」と感じたら急性中毒を疑った方がよいとのことです。

急性中毒かもしれないと思ったら、応急処置として、意識がなければ嘔吐防止のために右を下にして横向きに寝かせます。意識があれば中毒物質の吸収を防止するために左を下にして横向きに寝かせます。応急処置を施すときは、体の表面に化学物質が付着するのに気をつけなければなりません。汚染された衣服を洗濯して着たら、また中毒になったケースもあるので注意が必要です。

小児の中毒原因の1位はたばこの誤食。たばこ1本分のニコチンで致死量になってしまいます。水に溶けると体内への吸収が速くなるので、ジュースなどの空き缶を灰皿にするのは絶対にやめた方がいいそうです。もし誤食してしまったら吐かせる、水は飲ませない、興奮させないようにし、病院へ連れて行ってください。

中毒死亡の原因第1位は一酸化炭素中毒で、全体の50~60%を占めます。無色で無味無臭、最初は頭痛がするくらいだったのが1時間もすると昏睡状態に陥る場合も。換気したり、新鮮な空気がある場所に逃避することで防げます。同じ室内で複数の人が体調不良になってきたら、一酸化炭素中毒を疑った方がいいそうです。

今回の地震では、自家発電機を室内で使い一酸化炭素中毒になったという例もありました。「換気以外で気をつけることはありませんか」との質問に、成松教授は「室内では使ってはいけない。しちりんも危ない。これくらいは大丈夫だろうというのが危ない」と答えました。北海道の住宅は気密性が高いため、本州などよりも注意が必要とのことです。

またテロや車両事故などの集団災害に遭遇した場合、一般人がむやみに近付くのは危険です。警察や消防などの規制に従って行動してほしいと話しました。