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「しんかい」での海底火山調査を紹介~第4回エルムの杜の宝もの

写真1(山本准教授)道新ぶんぶんクラブと北大総合博物館共催の講座「第4回エルムの杜(もり)の宝もの」が9月27日(土)、同館で開かれました。同館の山本順司准教授(地球科学)が「謎の海底火山-地球第4のマグマ噴出場-」という題で講演し、ぶんぶんクラブ会員と子どもら約60人が聞き入りました。


山本准教授は今年4月、潜水艇「しんかい6500」で仙台沖約1000キロの海底を調査しました。2006年に「プチスポット」と名付けられた火山が発見された場所で、山本准教授の目的は「最近の噴火の証拠を見つけること」。講座では、「しんかい」や母船「よこすか」の内部や、調査の様子などをふんだんな映像とユーモアを交えた解説で紹介しました。


写真2(しんかい)「しんかい」は定員3人で、そのうち研究者は1人。海底への往復と調査にかかる約9時間を直径2メートルの球状の空間で過ごしたそうです。山本准教授は水深5576メートルの海底で、溶岩流が固まったものを発見。「どうしても欲しい」と重さ80キロの岩を持ち帰りました。「よこすか」船内で岩を切ったところ、大きな泡がたくさん含まれていて、周りはガラスで覆われた状態。その場で噴出したマグマが急速に固まったものでした。岩の中に入っていた「捕獲岩」の成分などを分析したところ、「冷え切っているはずの古い海底に、日本列島並みに熱い岩盤があった」ということが分かりました。

地学の世界では、マグマが噴出する火山が分布する場所として①海嶺②ハワイのような海洋島③日本列島-の三つが知られていましたが、今回の場所は4番目といえます。また、噴出したマグマは地球の表面を覆っている硬いマントルと、その下の軟らかいマントルの境界に存在し、二つのマントルがスムーズに動くための「潤滑油」の役目を果たしていると考えられます。調査結果をまとめた論文は10月にも、米国の地学専門誌に掲載される見込みだそうです。

写真3(海底の岩)講座終了後には、海底で採取した岩が展示され、参加者が手に取って見入っていました。

(写真上)調査の様子を解説する山本准教授
(写真中)調査で乗った「しんかい6500」
(写真下)海底で採取された岩