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伊勢神宮の成り立ちたどる 国学院大・新谷教授が講演

「伊勢神宮の創祀と遷宮」をテーマにした道新ぶんぶんクラブ教養講座「いにしえの日本を探る」が9月29日(土)午後1時30分~3時に道新本社7階会議室で開かれました。講師は国学院大学の新谷尚紀教授。定員120人のところ、3倍以上の応募があり抽選となりましたが、定員を上回る参加がありました。

NHKの人気番組「チコちゃんに叱られる!」に出演している教授の講演は分かりやすく、伊勢神宮の成り立ちや式年遷宮について楽しく学ぶことができました。

伊勢神宮は天武・持統天皇時代に造られたと推測されています。天から統治を許された人は背中が北で南を向くという中国王朝の「天子南面」の考えに基づき、南北軸で造られています。また伊勢神宮は、藤原京から見ると太陽が昇る方向の真東にあります。

伊勢神宮の内宮には天照大神(あまてらすおおかみ)が祀られ、天皇はその子孫であるとされています。昔は自然そのものを神として崇めていましたが、福岡県の沖ノ島に祈りの変化が見られます。鏡をささげ太陽を祀るようになり、太陽の神から人格神が現れたとされています。

20年に1度行われる式年遷宮は、690年に始まったとされています。社殿が同じ形式で東西に移動し新設され、ご神体である御正体(みしょうたい、神鏡のこと)を新しい社殿に移します。現在の内宮の神宝は紡績具や武具、楽器、馬具など19種199点で、これも新調され移設されます。また心御柱(しんのみはしら)という正殿の床下中央に建てられた柱も新調されますが、この料木を神宮の森から切り出す木本祭(このもとさい)が遷宮の中でも秘儀とされ、限られた神職のみで執り行われます。

遷宮はなぜ20年に1度なのかにはいくつか説がありますが、もっとも有力なのが朔旦冬至(さくたんとうじ)説です。朔旦冬至とは月と太陽の満ち欠けが同じ冬至が陰暦の11月1日に当たる日をさし、19年に1度めぐってきます。冬至は次の日から日が長くなることから、よみがえりの象徴とされ、これに合わせて遷宮が行われたとされています。桓武天皇の時代から20年に1度となり、現在に至ります。

(写真上)新谷尚紀国学院大学教授
(写真下)空席がないほど参加者が集まった会場