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北海道の畜産黎明期に思いはせる 第2回エルムの杜の宝もの

 今年2回目となる北大総合博物館と道新ぶんぶんクラブ共催「エルムの杜(もり)の宝もの~札幌農学校第2農場見学ツアー」が6月30日同農場で開かれ、ぶんぶんクラブ会員ら41人が、近藤誠司北大名誉教授(畜牧体系学)の案内で日本の近代畜産の礎を築いた重要文化財の建物群を巡り、北大から広がった近代畜産の大きな流れについて学びました。
▼近藤誠司北大名誉教授(右)から第2農場全体の説明を受けました

 第2農場は、札幌農学校の初代教頭W・S・クラーク博士が欧米式の畜産技術を教育するために開設した農場です。1戸の酪農家をイメージし、乳牛を飼って乳製品を製造・出荷するまでに必要な畜舎と関連施設9棟が現存しています。

 建物群は、農学校発足間もない1877年(明治10年)に建てられた模範家畜房(モデルバーン)を中心に、1909年(同42年)から11年にかけて旧農学校第2農場(現在の図書館の北側)から現在地へ移転、新築されたものです。明治の洋風建築として建築技術史上価値が高く、当時の酪農経営を知る貴重な資料として1969年、国の重要文化財に指定されました。

 参加者は5班に分かれて近藤名誉教授とボランティアスタッフの説明を受けながら、模範家畜房や穀物庫(コーンバーン)などの建物、収蔵されている明治期を中心とした農機具を見て回りました。畜舎2階につながる緩いスロープを使って馬車で乾草を直接搬入する畜舎の構造や寒冷地向けの重力換気システム、豚を組み込んだ循環農法など、近藤名誉教授は当時の時代背景を織り交ぜながら先駆的な農業技術について説明しました。


 「エルムの杜の宝もの」シリーズは北大が開学以来長年の研究で集積した数多くの貴重な資料である「北海道の知の宝」を、ぶんぶんクラブ会員の皆さんに知ってもらおうと総合博物館の協力で開いています。

写真左下 鼠害防止のため高床構造になっている穀物庫(右奥)と収穫室(中央)
写真右下 牛舎の構造を見て回る参加の皆さん