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北海道の畜産黎明期を学ぶ 札幌農学校第2農場見学ツアー

 北大総合博物館と道新ぶんぶんクラブ共催の「エルムの杜(もり)の宝もの」の第2回、「札幌農学校第2農場見学ツアー」が6月29日同農場で開かれ、札幌のほか根室、士別、函館、苫小牧、岩見沢、小樽などからぶんぶんクラブ会員ら44人が参加、近藤誠司北大名誉教授(畜牧体系学)の案内で、日本の近代畜産の礎を築いた重要文化財の建物群を巡りながら、北大から広がった近代畜産について学びました。

▲近藤誠司名誉教授(後方)から第2農場の歴史などを聞く参加者

 第2農場は、札幌農学校の初代教頭W・S・クラーク博士が欧米式の畜産技術を北海道に広めるため構想した農場です。1戸の酪農家をイメージしたもので、牧草を主食とする乳牛と馬を飼い、搾乳後、乳製品を製造し出荷するまでに必要な畜舎と一連の関連施設が現存しています。建物群は、農学校発足間もない1877年(明治10年)に建てられた模範家畜房(モデルバーン)を中心に、1909年(同42年)から11年にかけて旧農学校第2農場(現在の図書館の北側)から現在地へ移転、新築されました。明治の洋風建築として建築技術史上価値が高く、当時の酪農経営を知る貴重な史料として1969年、国の重文に指定されました。

 ツアーでは、最初に近藤名誉教授が農場全体について説明しました。明治初期の札幌農学校の様子や時代背景をはじめ、冷蔵技術が発達していない状況下で、当時どのように乳製品が造られたのかなどを話しました。その後、会員は5つの班に分かれて、近藤名誉教授とボランティアスタッフの説明を受けながら、家畜房や穀物庫(コーンバーン)などの建物群、農機具類などを見て回りました。

▲コーンバーン(穀物庫)に入る参加者ら

 参加した皆さんは、畜舎2階に馬車で乾草を直接搬入したスロープの付いた畜舎や、寒冷地に対応した重力換気システム、乳製品製造時に出る乳清(ホエー)を豚に食べさせた循環農法など、当時先駆的だった農業技術に感心し、説明に熱心に耳を傾けていました。

▲木製の柱のない天井の構造を学ぶ


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「エルムの杜の宝もの」シリーズは、北大が開学以来長年の研究で集積した数多くの貴重な資料である「北海道の知の宝」を、ぶんぶんクラブ会員の皆さんに知ってもらおうと総合博物館の協力で開いています。