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消費者に好まれるブランドと北海道ブランドの展開について学ぶ 樽商大共催ビジネス講座

小樽商科大学と道新ぶんぶんクラブ共催の2018年第2回「時代が読める経済・ビジネス講座『消費者に好まれるブランドと北海道ブランドの展開』」が10月13日(土)同大札幌サテライト教室で開かれ、会員37人がブランドとは何かを学びました。

講師は、同大商学部でマーケティング論・消費者行動論を研究する気鋭の鈴木和宏准教授。銀行や監査法人の勤務経験がある鈴木先生は、消費者が商品・企業を選ぶ際の動機付けや意思決定のプロセスについて、実際のデータを基に研究しています。

講座では、ブランドに注目して、消費者が好み、満足度の高いブランドがどのようにして生まれ、ブランドを形成する要素は何か、をテーマとして話を進めました。後半は「北海道」というブランドを利用して、消費者に好まれるブランドに成長した北海道産米「ゆめぴりか」を成功例として取り上げ、消費者行動を決定する要素を具体的に見ていきました。

ブランドとは、この講座では便宜的に「固有名詞」とほぼ同義と定義しました。好きになる原因を客観的事実に基づく「認知的態度」と、個人のイメージや感情に起因する「感情的態度」に分けました。

感情的態度で選ばれるほうが、震災などの災害や悪い風評が生じてもより安定してブランドの支持が得られる傾向にあることから、「感情的態度」を獲得することが、ブランドイメージを作るために目指すべき方向であることを説明しました。

また「北海道」をブランドとした調査をしたところ、「北海道」に好意を持つ人がとても多くいる中で、ブランドとの絆・結びつきなど「感情的態度」を構成する、いわば自分の生活の中で役に立ったなどといった心地よい体験や人と人がつながってゆく経験をどのようにして広げ、伸ばしてあげることができるか。それが、今後の課題であると指摘しました。

道産米の悪かったイメージを払いのけ、日本のトップブランド米になることに成功した「ゆめぴりか」。その要因は三つに分けられます。一つは北海道を活用したブランド拡張。好まれている北海道というブランドを使い、良いイメージを引き継ぎながら、既存のブランドとちょっと違う部分=北海道と米で消費者の記憶に残るものを作り、いわゆる「程よく」北海道っぽくなったこと。二つ目は数多くの試食会やイベントでの経験=ブランド・エクスペリエンスを提供増したこと。三つ目は皆が支え育てたいと思う気持ちである「ブランド・インキュベーション」の体制作りが優れていたことです。

消費者に好まれるブランドを作るためには、企業から消費者への一方的な情報提供ではなく、新聞などメディアや流通業者・生産者から多様な情報を発信し、ブランドの世界観・意義を消費者に多面的に伝わる仕組みが重要でした。

今後の北海道を考えるにあたり、北海道を自分のこと、関係のあることとして身近に感じる経験を、より多く提供できるかどうかが、成長の鍵になってくるという明確な結論に、参加者も納得しながら、今後の参考にしていました。