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糖尿病は合併症に注意 札医大すこやか講座

札幌医科大学と道新ぶんぶんクラブ共催の本年度第3回「すこやかライフ」講座「糖尿病から血管を守ろう!~これからの時代の糖尿病の予防と上手な付き合い方~」が11月12日(月)、同大臨床教育研究棟講堂で開かれ、同大医学部公衆衛生学講座の大西浩文教授が、糖尿病の予防や治療についてスライドを使いながらわかりやすく説明しました。

糖尿病は血糖値が必要以上に高くなる状態が継続する状態です。尿に糖が出なくても、糖尿病の場合もあります。持続的に高いことを確認するため、複数回の検査による判定が必要です。インスリンの作用が不足して高血糖状態になっていますが、十分な量のインスリンが分泌されていないか、インスリンが効きにくいインスリン抵抗性のどちらかです。血糖値を上げるホルモンは複数ありますが、下げるホルモンはインスリンしかありません。

糖尿病の症状は喉の渇きや体重減少、疲れやすい、手足のしびれ、眼のかすみなどが挙げられます。これらの症状がなく、健診で発見されることもあります。自覚症状があるということは、症状が進んでいることが多いです。血糖値が高いという指摘を受けたら、症状がなくても面倒がらずに早く受診してください。

気をつけなければならないのは合併症です。網膜症は失明の可能性、神経症は感覚が鈍っているので痛みなどに気づかず下肢切断の場合も。腎症は腎不全、大血管症は心筋梗塞や脳梗塞の危険性もあります。糖尿病患者の平均寿命は延びていますが、それでもなお健康な人との寿命の開きは10年近くあるのが現実です。治療を中断すると腎症の危険性が約2倍になるというデータもあります。

膵臓(すいぞう)を休ませてあげることも必要です。何かを食べていると膵臓は働き続けますので、血糖値が低い時間帯を作りましょう。急激な血糖値上昇をさけることや運動も大切です。またインスリン効果を高めるために、肥満の改善や生活リズムを整えるなど、生活習慣の改善は大切です。

食後の血糖値上昇度を示すグリセミック指数(GI)。GI値が低い食品は糖の吸収がゆっくりで、血糖値の変動も緩やかです。低炭水化物食は減量に効果的という実験データがありますが、糖質制限については制限量の明確な基準がなく、タンパク質の摂取過多による腎臓への影響や長期的な体への影響などのデータもありません。野菜を先に食べるダイエットは、血糖値上昇の抑制に効果があります。

都道府県別の北海道の糖尿病死亡率は全国34位。死亡率が高い地域では症状が進行していたり合併症を発症している人が多く、治療を中断する患者が多いというデータがあります。低い地域は糖尿病予備軍と指摘された早い段階で食事指導などを受けており、医療機関と行政の地域連携が進められています。病院にかかっているから地域の健診や相談に行かないというのではなく、保健師や栄養士、ケアマネジャーなどと情報共有することが大切です。