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考古学からみた北大の5千年の歴史学ぶ エルムの杜の宝もの

 北大総合博物館と道新ぶんぶんクラブ共催の「エルムの杜(もり)の宝もの」の第3回、「『K39:考古学からみた北大キャンパスの5,000年』解説と見学、常設展示の解説と見学」が7月27日(土)北区北10西8の同博物館で開かれ、札幌市をはじめ江別市のほかオホーツク管内遠軽町白滝からぶんぶんクラブ会員ら39人が参加、北大札幌キャンパスから発掘された土器や石器などを集めた夏季企画展示と同博物館の常設展示を観覧しました。

▲北大式土器について江田先生(右)から説明を受ける参加者

 夏季企画展示は、約5千年前の縄文中期以降の文化財が眠っている北大札幌キャンパスに焦点を当てたもので、同博物館の江田真毅(えだ・まさき)准教授(動物考古学)が解説しました。

▲発掘調査の際に確認された地層を剥ぎ取った標本



 北大札幌キャンパスは、その大部分が埋蔵文化財包蔵地(遺跡)に登録され、札幌市の登録番号39、北区の頭文字Kと合わせて「K39」という遺跡番号が割り当てられています。1903年(明治36年)、この地に札幌農学校が移転しましたが、古代より漁労の場やキャンプサイト、墓地などがあったことが分かっています。

 江田先生は「遺跡から出土したモノから人類の過去を、研究するのが考古学です」と前置きし、北大札幌キャンパスが「遺跡の上にあり、建物などを造る際は事前に文化財調査が必要となります」と続けました。今回の企画展示は7つのゾーンに分けて縄文文化から擦文文化、アイヌ文化など、5千年間の人々の営みを紹介しています。参加者は、発掘調査時に確認された地層を剥ぎ取った標本、白滝産出の黒曜石でできた石器、北大式土器などをゆっくり見て回りました。北大式土器について江田先生は「北大で見つかった土器を基準にした土器形式です」と述べ、貫通しない突き瘤(こぶ)文様があることなど特徴を説明しました。

 一方、常設展示は、同博物館の湯浅万紀子教授(博物館教育学)が説明に当たりました。同博物館は1929年(昭和4年)に造られた旧理学部本館を利用して99年(平成11年)に開館しました。札幌農学校開校以来蓄積されて学内に収蔵されたさまざまな分野の約400万点の学術標本のうち、約300万点を収蔵しており、学名を決める基準となる「タイプ標本」もそのうち約1万3千点あります。湯浅先生は同館の使命や3年前のリニューアルの方針、大学博物館の特色を活かした活動展開について説明し、参加者は湯浅先生の案内で1階から3階までの常設展示を見学しました。

 同館は地質学、生物分類学、考古学、科学技術史、医学などの展示があり、1934年(昭和9年)に樺太南部で見つかった恐竜ニッポノサウルスの復元骨格なども展示されています。北海道大学の12の学部の研究と教育を紹介する展示なども見学しました。

▲湯浅先生の案内で恐竜の復元骨格などを見て回る参加者



 最後に建物のシンボルアインシュタインドームと呼ばれる吹き抜けの空間などを見学しました。

▲建物のシンボル「アインシュタインドーム」と呼ばれる吹き抜けの空間

札幌市内から参加した男性はさまざまな展示物に「宝の宝庫ですね。またゆっくり見に来ます」と目を輝かせていました。

 同博物館の入館者数は年々増え海外からの見学者も目立ちます。入館は無料で、午前10時~午後5時開館(6~10月の金曜は午後9時まで)。月曜は休館ですが、祝日の場合は開館し翌平日が休みです。
 
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 「エルムの杜の宝もの」シリーズは、北大が開学以来長年の研究で集積した数多くの貴重な資料である「北海道の知の宝」を、ぶんぶんクラブ会員の皆さんに知ってもらおうと総合博物館の協力で開いています。