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補聴器付け新聞音読を 札医大・高野教授が難聴テーマに講演

札医大とぶんぶんクラブ共催の「すこやかライフ講座」が11月13日、札幌市中央区の札医大で開かれ、高齢化とともに増えている難聴と最新の治療方法について会員約290人が学びました。

講師は、札医大医学部耳鼻咽喉科学講座、高野賢一教授で、テーマは「聴こえを取り戻そう! 難聴医療最前線」でした。

高野教授は、高齢化が進む日本で、加齢性の難聴が増えており、60歳代で3分の1、70代で半分、80代ではほとんどが難聴とされるほど、身近な疾患になっていると説明しました。
一方で若者にも大音響の音楽を長時間聴くことによる難聴のリスクが増大していると指摘。
「音を感じる耳の有毛細胞は再生せず、耳は繊細で弱い器官」として、耳を大切にする必要性を強調しました。

高野教授は、難聴は認知症との関連性が強く、軽度難聴は2倍、中等度は3倍、重度の認知症発症リスクは5倍にもなるとの研究結果も示し、「難聴があると認知機能が老けてしまう。難聴は認知症の危険因子の中で最も大きい」と解説しました。
うつ病との相関もあり、難聴の人はうつ病になりやすいと述べました。

難聴にならないためには①騒音を避け、騒がしい場所から出たら耳を休める②禁煙や肥満に注意するなど体に良いことは耳にもよい③急に耳が聞こえづらくなったら耳鼻咽喉科を受診する―などの注意点を挙げました。

補聴器も眼鏡と同じで患者に合わせて選ぶべきで、脳のトレーニングも同時に必要とし、補聴器を装着しての新聞や本の音読は脳の活性化と聴力を保つ効果があることも紹介。
重度の難聴者には人工中耳と人工内耳も効果的であると述べました。
最後に高野教授は「今ある聴力を落とさないことが大切」と呼びかけました。

(写真上)「耳は繊細な器官。大切にしてほしい」と語りかける高野賢一教授
(写真下)さまざまなデータを示しながら耳の仕組みから難聴の治療法まで紹介する高野教授