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母は北の食卓の開拓者 南部しず子さん講演会

 道民に愛される数々の料理を考案し、学校法人光塩学園を創設した南部明子さん(1920~94年)の料理とその人生に光を当てた「懐かしいけど新しい 南部あき子のアイディア料理」(北海道新聞社)の出版記念講演会が5月22日(水)、同学園調理製菓専門学校ホールで開かれました。

 道新ぶんぶんクラブと同学園が主催。同クラブ会員のほか、教え子ら約120人が集いました。同学園女子短大学長の次女鴫原(しぎはら)正世さん(72)とともに本を執筆した三女で、同学園理事長の南部ユンクィアンしず子さん(71)が、仕事と家庭を両立した母親の思い出を当時の写真を映し出しながら語りました。

 明子さんが創作し、道内で広く親しまれている甘納豆入り赤飯は、いつも各地の料理教室の一番人気で、翌日には菓子店の甘納豆が売り切れたとの逸話や、最近でもテレビのバラエティー番組で紹介されて反響があったことを紹介。かつて、しず子さんが招かれた香港での北海道料理の講習会でも、ラーメンやサケのちゃんちゃん焼きなどと一緒に出したところ、「赤いご飯は大変おめでたい」と喜ばれ、 試食会でもあっという間になくなったとの思い出も披露しました。

 このほか、正世さんやしず子さんのスキー遠足の日には、母の明子さんはジャガイモやベーコン、チーズなどが入った「酪農鍋」を用意してくれたり、長年続いた道新の料理のレシピ欄で「カキの松前焼き」が人気を呼んだこと、民放テレビ局やNHKの料理番組でも活躍したことなど、さまざまな思い出を語りました。

 明子さんについて、しず子さんは「母はキャリアウーマンの草分けであり、北の食卓の開拓者でした。そうした親に育てられ、おいしい料理を受け継ぎ、時代に合わせて工夫してお知らせすることができたらうれしい」と話しました。

 最後に同学園の短大や専門学校の入学、卒業式に今も登場する甘納豆入り赤飯の試食も行われました。刊行された「懐かしいけど新しい 南部あき子のアイディア料理」は1728円で、道内の主要書店や北海道新聞販売所で取り扱っています。

(写真上)写真を映しながら母明子さんの思い出を語る南部ユンクィアンしず子さん
(写真下)明子さんが考案した甘納豆入りの赤飯の試食会