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イベントリポート

いにしえの日本を探る 編述千三百年に読む日本書紀 国学院講座

2020/02/03
月岡先生から日本書紀の奥深さを学んだ国学院教養講座
月岡先生から日本書紀の奥深さを学んだ国学院教養講座

本年度最後の国学院大(東京)、国学院大道短大(滝川)教養講座「いにしえの日本を探る 編述千三百年に読む日本書紀」が2月1日(土)午後、札幌市中央区の北海道新聞本社で開かれ、札幌、旭川、白老、岩見沢、由仁などから91人が参加しました。

同短大の月岡道晴教授を講師に、今年編述1300年を迎えた日本書紀について学びました。

月岡先生は、日本書紀の成り立ちや日本書紀の構造、古事記との相違点などの概略を説明した後、日本書紀と古事記を読み比べながら相違から見えてくる古代史観について解説しました。

月岡先生は、日本書紀と古事記は編さん方針自体が全く異なっていて、日本書紀は神話部分が本書(正伝)のほかに多くの一書(別伝)を持つ別伝併記という形式をとっていること、古事記の神話は枝葉を全部切り捨てて、一本化されていることなどの概略を解説、「厳密さを考えたのか、日本書紀の神話は古事記よりは懐の広い典籍であると言える一方で、両方でいろいろと扱いの違いがあります」と話しました。

また、日本書紀は本書と一書の間に大きな差を設けていて、「日本書紀にとって一書はあくまでも、正伝が正しい伝えであるということを保証するために置かれたもので、日本書紀の編さん者にとって正伝ををつなぎ合わせた形こそが正伝であり大事なもの。正伝だけを拾って読んでゆくというのが日本書紀の基本です」と続けました。

古事記と日本書紀の相違について月岡先生は、三浦佑之氏の「古事記講義」を引用し、最も世界観が違うものとして「出雲神話」の扱いの違いについて説明しました。

古事記で知られる「稲羽のシロウサギ」といった、一般的に言われる「出雲神話」の部分が日本書紀の正伝では欠落し、オホクニヌシも一切書かれていないなど古事記の25%が日本書紀には載っていないことを紹介。「基本的に日本書紀は出雲神話に関しては非常に冷たい。出雲という別世界があることは、全然語ろうとせず、征服の対象として出てくるくらい」と述べ、神話の伝え方の違い以外にも日本書紀と古事記では全体像の示し方、価値観が違うことを話しました。

ほかに、日本書紀は天(天上)と天下の二層構造、古事記は高天原、葦原中国、黄泉国・根堅洲国の三層構造になっていることや、巻(まき)1の神代から巻第30の持統天皇まで天皇の名易えや継体即位といった、誕生や名前の交換などさまざまな秘話やエピソードを紹介、「古事記と日本書紀のお互いを照らし合わせながら引き立てるように想像を巡らして読んでほしい」と呼びかけました。